シンポジウム・研究集会

6月7日 シンポジウムのご案内

シンポジウム 規格に駆逐される人間のわざ
―木を生かす伝統構法を見直すためにー

日時:2008年6月7日(土)13:50〜17:00
場所:東京大学農学部弥生講堂
内容
■総合司会          松留愼一郎 
■開会挨拶 (13:50〜13:55)  古橋源六郎 (財)森とむらの会代表 
第一部 (14:00〜15:20)
■「伝統構法・在来構法」   鳥羽瀬公二 (株)鳥羽瀬社寺建築代表 NPO法人日本伝統建築技術保存会副会長
■「山に育つ生き物としての木」速水 亨  速水林業代表、(社)日本林業経営者協会会長 

第二部(15:30〜16:40) 鼎談「木造建築の種々相」
■花里利一 三重大学教授  「伝統構法を見直す」
■内田祥哉 東京大学名誉教授(建築設計/建築構法研究)、内田祥哉建築研究所代表
■伊藤延男 当有識者会議共同代表

■講評と閉会挨拶 (16:40〜) 内山 節 哲学者 

趣旨

 仏教伝来初期の寺院は、周辺の森林を利用して建てられました。奈良周辺は当時、桧の大径の良材が採れたようです。大陸から渡来した寺院建築技術者は、桧という適度に固く適度に柔らかい建築に適した木材に出会いその腕を振るったのではないでしょうか。

 しかし、都の造営の度ごとに、宮殿だけでなく寺院や神殿など大規模な建築が行われ、都周辺の森林は、奈良時代には既に伐り尽くされていたと言われています。琵琶湖周辺はその傷跡が癒えたのは昭和になってからです。また各地方でも同様に木材需要が増化し、交易が始まります。交易が盛んになると材の規格化が必要となります。木材の伐採・運搬・集荷・出荷の分業化や運材・製材の技術革新も時代と共に進みました。技術革新、分業化、規格化はそれぞれ影響しながら進行しました。

 近年になり、世界中のオールドグロスと呼ばれる巨木林が伐られたために、木材が細くなり、柱や板の歪が出易くなり、世界中で集成材をはじめとするエンジニアリングウッドの技術が進みました。日本では芯もち柱といわれる比較的細い木を使った建築技術が代々の技術者に受け継がれていたこともあり、エンジニアリングウッドの展開は比較的最近になってからですが、大手住宅メーカーや国の技術屋の意向が、プレカットや構造用集成材を出現させ木材の工業製品化、商品化の流れを加速させました。

 その結果、伝統的な木造建築技術にさえも規格化の波が押し寄せています。その技術が千年の伝統に裏打ちされたものであっても、良心的な職人の五感を研ぎ澄ませたものであっても、規格外のものは排除されてしまう。職人の心と技を持った技術者の悲痛な叫びが聞こえてきます。

 建築は木に人の魂を入れて、樹木に永遠の命を与える仕事であったはず。木材の工業製品化、商品化が進む一方で、日本では、木と付き合う知恵や山を育てる意識も失われてゆきました。その上に無くなろうとしている世界の巨木を求めていまだ買い集めている実態もあるのです。
今、求められているのは、日本の森林の木を大きく育てると共に、上手く使う技術・・・・・・・何をどうすれば良いのか検証します。

日時:2008年6月7日(土)13:50〜17:00
場所:東京大学農学部弥生講堂
   地下鉄南北線/東大前駅下車3分
シンポジウム終了後懇親会あり(同―弥生講堂にて)
主催:文化遺産を未来につなぐ森づくりの為の有識者会議
     (社)国土緑化推進機構「緑と水の森林基金」助成事業
入場無料:      
申込:E-mail info@bunkaisan.jp まで、下記にご記入の上、お申し込み下さい。

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6月7日シンポジウム申込票
氏名:
連絡先住所:(自宅か勤務先か明記して下さい)
所属:
電話:
E-mail:

参加項目:
 □シンポジウム(無料)
 □懇親会(17:30〜19:00 会費3500円)