近藤 光雄

歴史的建造物の保存に、今なにが必要か

 このところ、我国の森林についての議論が盛んである。シンポジュームやセミナー等があちらこちらで開催されているし、それに関する記事を、新聞、雑誌、テレビ等々でよく耳にし、目にもする。

 それは外国産木材に圧され、国産材が売れなくなっていることが根本的な原因のようである。伐採しても採算がとれない間伐採、価値を失った山での労働、都市文明への知識の偏向。つまり今、日本の森は放置される危機にあるという。檜と杉の単一木を一斉に植林し、四十年で一斉に代採する、経済市場原理に基づく山づくりのつけが今問われているのであろう。

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