飛山 龍一

里山としての国有林

 稲作のために、ある山野の開墾が千年前に行われたとすると、一世代を二十年として里での営みはわずか五十世代です。それぞれの世代は、里山とどのように向き合い折り合いをつけてきたのでしょう。
 仮に、入会慣行がある又は入会慣行があったような森林を里山と称するなら、滋賀県南部の森林は国有林を含めほとんどが里山と考えて良いでしょう。ただし、一口に里山といっても時代や地域によってその姿は千差万別です。森林が持続的に利用されてきた時代や地域もあれば、林産物等が過度に収奪され荒廃した時代や地域もあるし、放置されたり開発されたりした時代や地域もあります。
 現象としての森林とその背景にある自然や歴史・文化を調べてみるのもおもしろいですね。今後、里山とどのように向き合っていくかを考える上で参考になることでしょう。

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