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2011年04月29日

NO.470 今年度の総会とシンポジウムは小田原で

シンポジウム「文化遺産を未来につなぐ森づくり」
・・・祈りの場と 心をつなぐ森づくりをめざして・・・
+ 東日本大震災後の地域形成に向けて私たちにできることを考える

日時;5月28日(土)
会場:「ヒルトン小田原リゾート&スパ」

シンポジウム趣意書
 日本では、お寺や神社など木造建築の建物は、100年毎の小修理や300年-400年に一度解体を伴う大修理を行うことで維持保全されてきました。その他屋根替えに伴う修理やその時々に行われる修理もあります。明治以来、文化財の大修理は、今一巡し、次の大修理のピークが200年後、と言われています。
 という訳で、これまで当会では、200年先の文化財補修用材の確保について検討して来ました。文化財にはスギやヒノキ、マツ、ケヤキ、他にも様々な樹種の材が使われていますが、その中でも、今回は、ケヤキの育樹育林について取り上げることにいたしました。

 ケヤキは、スギやヒノキなどの針葉樹に比べて硬く、木目が美しいといった特徴を備えています。ケヤキの材は、古くから寺院建築等に使われてきました。ただ、その用途は組物など部分的だったようです。近世に入ると、ケヤキは柱や梁、彫刻の施した組物などに盛んに用いられるようになりました。桧の良材が少なくなってきたこと、ケヤキ特有の木目が意匠的に好まれたこと、加工技術が発達したことなどがその理由といわれています。
 
 京都・清水寺の舞台は、百本を超える長く太いケヤキ柱に支えられています。清水寺では200年先、300年先の補修をどうするか考え、今から山にケヤキを植えることから始めました。
 まとまった植林は、戦前から各地の山間部で行われたようです。
 しかし、現在、ケヤキの人工林で、建築材として使えるような「枝下が長く幹が太く真っ直ぐな美林」はほとんど見られません。これはいったいなぜなのでしょう。将来、文化財の修理に使えるような良質のケヤキがなくなってしまうのではないかと懸念されています。
 ケヤキの巨木に支えられた日本の文化を後世に繋ぐという思いを共有しながら、小田原でのつどいをもとうと思います。
   

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