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2009年03月20日

NO.454   カンブリア宮殿で紹介された速水林業

 先日、このコーナーでも紹介したカンブリア宮殿を見ました。
 みなさまはどうご覧になられたでしょう。

 常々、速水サンは林業作業の効率化を話されていますけれど、テレビの速水林業の方々の一日、特にその仕事ぶりをみて、私は、驚いたのです。

 間伐場面。
 チェンソーで次々に木を倒して行くのですが、時間差ですぐ隣の木を倒すのです。危険を知らせるのは笛の音。
 番組では、一人の作業員が、木を、まず倒したい方向に斜めに切り込みを入れ、反対側から追い込んで切るという、山では、誰もがやっている切り方で、あっさりと一本倒しました。さすが、林立する木の間を見事にどこにも引っかからずに倒れたなぁ、と感心していると、すぐその何メートルか横の木が、笛の合図とともに、ドドッと倒されたのですよ。


 ボランティアの林業作業では考えられない情景。
 しかも、二本目の木もわずかの樹間に、どこにもひっかからずに、実に奇麗に倒れて行く。それも、一本目と平行に。

 それだけでも感心しているのに、すかさずその二本の木がいっぺんにワイアーでつり上げられ、運ばれる。昔から速水林業では、タワーヤーダーなどを駆使して架線集材を実施、とにかく効率良く、上の道路に用意されたトラックに積み込まれ、という具合にその場は、4人の職人が50本の木を伐採し運び出してしまった、というのです。
 
 山の作業の効率化、ってこういうことを言うのね、と常日頃の速水さんの言動が理解できました。

 以前、速水林業の山を見学させていただいた時、まず最初に見せていただいたのは、今回の番組では、朝7時に職員の方々が体操していた広場に面した建物でした。
 中は、様々な機械工具や部品が整然と分類された棚や引き出しがずらーっと並んでいて、チェンソーや機械の調子が悪くなっても、外部に発注すること無く、たちどころに修理できるとのこと。
 
 機械化に加えて、職人たちそのものが技術のスペシャリストだからこそ、合理化、効率化が言えるのだなぁ、と納得した場面でありましたよ。

 山に人手を、といっても知力体力腕力が必要なチェンソーの使い手になるのはそう簡単なことじゃないでしょうし、また一過性の補助金で、人がどっと就職できるものでもないように思えます。
 やはり、ここで頑張るんだ、というやりがいや希望を感じる職場になるためには、林業が業として成り立つ仕組み。日本の木材が売れてお金が山の人たちにちゃんと回る仕組みがないとねー。

 とにかく山に人が暮らせないと文化遺産も生き残れない。
 
 という訳で、このホームページは、林業を応援しています!

他にもその山の一番優秀な母樹から取った苗木の話、枝打ち作業での一本あたりの対価が80円という話。
また作業員の方の、お昼のお弁当を食べた後一時間昼寝、それから作業続行、4時半に仕事終了で、家に帰って二人の子供たちとキャッチボールをする姿と2000万円で建てたというその素敵な自宅。
高品質と言われる材の話、意外と安いその木で建てた家。アラスカの天然林での収奪とも言うべき伐採の話などなどあったのだけど、私には、時間差ダブル伐採架線つり、の施業がとにかく印象的でありました。ではでは。