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2014年11月17日
No.475 2014年度2回目の見学会に行きました。
今年度は、4月18日-19日に、 第14回見学会ー「祈りの場と 心をつなぐ森づくりをめざして」〜観音信仰、修験の世界を体感! という見学会を行ないました。参加者41名。
そしてこの11月14―15日に、二度目の見学会を企画し三重県北牟婁郡紀北町の速水林業に22名の皆様をお連れして行って来ました。バスが 22人乗りなので、募集人員いっぱいの22名。
と申しますのも、来年1月25日、シンポジウムを企画しているのです。
平成27年1月25日(日) 14:00〜 (懇親会17:30〜19:30)
会場:東京大学農学部弥生講堂-アネックス
テーマは、「超長伐期林業に関すること(仮題)」を予定
この超長伐期に関すること、というタイトルが問題で、現在の日本の林業は、短伐期施業が主流。そんな中で「100年以上の長伐期施業に取り組む余裕はない」、と森林所有者の方々から言われてしまう。ましてや、200年先のことなんて、、、、、
ですが、現存する日本の木造文化財の補修には、直径50cm以上の大径材が本当に必要なのです。200年先にそういった大径、長尺材が、手に入るかどうか、修理に関わる宮大工さんは心底心配していらっしゃる。
そんな訳で、会としては、どうしても超長伐期施業にこだわらないといけません。というのが事務局の主張。
では、実際に山の現場を見てから、議論にはいりましょう、と速水様が提案して下さいました。
会の共同代表のお一人速水亨様は、いつも私がこんな質問をすると、「経営的には、超長伐期施業なんて不可能ですよ。」と理想論ばかり言う私を牽制されるのです。
その速水様がどんな森を造られているのか???
速水林業の森には、何度か伺った事があるのですが、今回見学させて頂く施業地は、初めての林分。
300年先の森づくりを目指して、100年生のヒノキが30 本と植栽木2500本の傾斜地。
これから100年ごとに目標数値の間伐と植栽を繰り返す事で、300年後には、400年生4本、300年生7本、200年生15本、100年生30本、の林分になる筈、という森。
現在は、100年生のヒノキたちが、私が主役よ、と、すっくりと間をおいて立っている。
100年前にこれを植えた人たちは、1ヘクタールあたり1万本も1万2千本も植えて、将来、どの木が残って行くのか、なんて考えもしませんよね。生き残ったものだけが伝える事ができる世界。
その時々の方々が「できる時にできる事をした。」
結果は、100年先、200年先の子孫に託すしかない、という林業という仕事。
現場で、速水様を中心に、様々な議論が交わされた。尾鷲ではこれじゃなくちゃダメ、という事が、各林業地では違ったり、やっぱり同じだったり。実践するにも、まことに細やかな配慮が必要な事もわかってきた。
沢山の議論を伺いながら、各地域で、こうした超長伐期の森づくりが、侃々諤々、丁々発止の議論の中で造られていったら、どんなに楽しい事でしょう。
速水様の実践には、他のどんな言葉よりも納得させる心がありました。
少し、私なりに希望の光を感じる事ができました。 あし