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2005年08月31日

NO.286 長崎・五島(11 )◆ド・ロ神父様(下)

いよいよ8月も最後の一日となりました。

ド・ロ神父様のお話、続けます。
ド・ロ神父記念館の展示品の中で、素敵!と思ったのは、ド・ロ神父様が母国フランスから取り寄せられたというハルモニュウム。今でも美しい響きを奏でるというオルガンです。

 この見学会を企画して下さった山田利行さんたちが、前回こられたときはシスターが実際に賛美歌を歌いながら弾いておられたそうで、それはそれは大感激なさったようです。

「またお会いしたかったのに」「皆さんにあの感激を味わってもらいたかったのに」山田さんが泣きそうなくらい、とても残念がっていらしたのが印象的でした。

 前回この感動を味わった長島重明さんの文章を見つけましたので、お借りすることにいたします。
「(前略 ド・ロ神父記念館を訪れて)そこに保存、展示されている様々な資料のうち、特に気に入ったのはド・ロ神父が仏より持参した建築関係の図面、仏の大工の施工関係の図書、測量機器など当時の、実際に教会建築に使用したと思われる貴重な資料。

展示品を見ていると展示室の奥から、オルガンの音色と歌が流れてくる。生演奏であることに気付き奥へ進むと、清楚なシスターが賛美歌を歌いながら弾いている。「皆さんもお歌い下さい」と楽譜を渡され、シスターの伴奏で賛美歌を数曲歌った。

 そこにはラテン語の教典やミサ曲の展示がしてあり、何気なく古そうな楽譜を見ていてふと気がついたのは通常5本の筈の楽譜が4本しか線がない。オルガンを弾いていたシスターに訊ねると、それは古い楽譜で式典の時の導入歌と説明され、その曲をラテン語で歌ってもらった。

どう考えてもこの楽譜は12〜13世紀頃のネウマ譜、ミラノのスフォルツェスコ城の楽器コレクションの中にあった気がするが、実際に演奏を聴くのは初めて。どうしてその技法が外海に残されているのか、信じられないものを聞いた感激は大きく、改めてド・ロ神父の偉大さを知らされた。(後略)
  (出展:聖母の騎士 2005.4 「清心修道院教会」 )

 知らないということは、誠にもったいないこと。
 せっかくド・ロ神父記念館を訪ねながら、こんな貴重なものに気がつかず、通り過ぎてしまったなんて。そしてシスターにお目にかかれなかったのも残念でした。

 もしド・ロ神父記念館に行かれて、ハルモニュウムの調べを聴くことができた方は、それは素晴らしく幸運なことなのよ、とお伝えして、ド・ロ神父様のお話を終ります。  

 本当に、ド・ロ神父様の様に、目を見て、お話ができて、そんな身近なところで献身的に尽くして下さる方がいたら、その方のことを本当に信じますよね。信仰はもちろん、教育でも、政治でも、、、

 丁度昨日から衆議院の選挙戦が始まりました。
テレビの映像を通していくら国民の為に、と言われても信じられないのはしかたのないこと。さてさて誰に入れましょうか。。。
   (あし)