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2007年07月19日

NO.392 母と暮らして1年が経ちました。

 ここ何週間か、母を寝かせるのに試行錯誤の毎日でした。
 毎晩布団を敷いてあげるけど、3〜4時間後には、その布団、押入れに片付けてリビングのソファーで横になっている。
 また敷き直して同じように寝かせるのだけれど、さすがにそれが一晩に二回三回となるとねぇ。それなら最初からリビングで寝かせればいいんじゃないの?と気がついた。

 
 それで奥の部屋から台所前の狭い廊下を通ってリビングまで。
毎晩布団を運んで寝かせたのだけど、今度は朝起きて行ってみると、布団がもとの押し入れにきちんと片付けられている。マットレスと敷布団と薄い掛布団。結構重いはずなのに。

 真夜中に、転んでも何しても運んでいるみたいで、危ないので、今度はベッドを下のリビングに置いてみることにしました。 
 二階の使ってない部屋に35年も置いてあったもの。昔、私が使っていたベッド。
 姉がすぐ同意してくれ、週末来てくれた夫と三人でベッドをおろして、、

 やっと、母をリビングに寝かせることに成功。
兄と妹には、理由も書いてリビングにベッドがあるけどビックリしないでね、と携帯メール。すかさず妹から「お母さんが正気になったら悲しむでしょうに」と返信あり。こういう、遠くから何か言われるのって、傷つくのよね。。。。。

母は、喜んでいます。家の中で一番いい部屋で寝られるのですから。広いし明るいし、エアコンもあって快適。カーテンを開ければ星も朝日も見える。
 元の部屋は、北側で、暗いし冬は冷たくて夏は暑い、障子を閉めたら何も見えない。

 さすがの母もベッドは持ち歩けない。でも、母が寝ぼけるのは変らない。
 夜8時に寝て、トイレが、10時、11時、1時、3時、、トイレの水音がするたびに階下に降りて、母を探すと奥の部屋で正座していたり、台所をうろうろしていたりソファーで寝ていたり。そんな母をベッドまで誘導。これが結構きつい仕事になりつつあるのですが、つい二三日前には玄関とトイレを間違えて水浸しにしたのでありました。。。。。

 今朝は、昨夜寝る前に用意しておいた服を着てる、と安心したのは早とちり。何だかドラえもんみたいになっているので、よぉく見たら、寝間着(それもゆかた!)の上にブラウスとスカートを着ているのでありました。。。。。 
 

 母から今迄母を形づくっていた大事なものが、ハラハラとこぼれ落ちていく。元の母がなくなってしまう、必死にすくってもすくっても、すくいきれずに母からあふれだして流れていく。哀しさだけは私の内にたまっていくのに。

 内側から壊れていく母。容貌も随分変わった。
そんな母から、あの子はどこへ行ったのだろう、全然顔を見せないじゃないか、と自分のことを責められるのは、つらい。「それは私よ、私はずっとそばにいるじゃないの」、といくら言ってもわかってもらえない。
 情けなさに奇声を発したくなるのだけど、壊れるのは私の方が先かもしれないなんて思うのだけど、、、でも頑張らなくちゃね。

 新潟県中越沖地震の惨状を見るにつけ、家があるのだもの、暮らしていけるのだもの、と思い直す今日この頃。(あし)の近況でした。