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2009年04月02日

NO.456   画期的な苗木づくりと植樹方法

 先日のカンブリア宮殿の放映から、二週間と少し経ちましたが、その後の反響が続いているようです。
 映像で、一瞬でしたが、速水林業での苗づくり、植林風景が映っていました。

 速水林業では、市販のホースを切って、それに土を入れ、挿し木をして苗をつくるんですよ、と伺ったことがありました。へぇ〜っとそのときはお聞きしていたのですが、テレビでみると、ほんと、簡単。これかぁ。と思って見ているうちに場面が変わって、、
 次から次へとびっくりして見ているうちに、番組が終わってしまったのですが、今日、読売新聞にこんな記事が紹介されました。

 何でも、速水林業では、腰を曲げて木を植えるという動作から見直し、どうしたら腰を曲げないで植樹できるか、と発想しながら職員の方々みんなで研究をしてきたのだそうです。
 
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/090402_1.htm


「植林革命」コスト半減 三重の会社が新苗木

木を売っても植林費用が出せず、国内で植林放棄地が増えている中で、三重県紀北町の速水林業(速水亨代表)が植林コストを大幅削減できる苗木を開発した。裸の山は防災面から問題が多いだけに、関係者からは「植林方法の革命」と期待されている。普及を目指して林野庁も今春から研究に着手する。

 植林放棄地は2005年度末で約1万7000ヘクタールに上る。木材価格の低迷で、1ヘクタール当たり百数十万円とされる植林と、その後5年間の下刈り費用を森林所有者が負担できないからだ。

 植林時のコストの大半を占めるのは、伐採跡を片付けて穴を掘り、1本ずつ植えるという手作業の人件費。これに対し、速水林業が開発した苗木は、ビニール製とセラミック製の2種類のポットで育てた苗木を鉄パイプで開けた直径2〜3センチの穴に放り込むだけ。作業効率は2倍以上で、植林コストは半分になる。

 ビニールポットは植える前にビニールを外す手間がいるが、市販の散水用ホースを切断して使っているため割安という。さらに地中で生分解するタイプの実用化のめども立ち、ポットごとの植林が可能になる。
 セラミックもビニールのポットも苗の活着率が高く、成長もいい。場所に応じて2種類の苗を使い分け、最終的にはコストを3分の1にするのが目標だ。

 成果を受け、今春から同業者の利用が始まった。三重県発注の崩落斜面復旧工事では、ヒノキのビニールポット苗6000本を採用。熊本県でも、地元の泉林業が「日本の植林に革命をもたらす」(泉忠義・社長)と速水林業から50本を試験導入した。近畿中国森林管理局森林技術センターは新年度から、同様の苗木研究に着手する。
 森林総合研究所の田内裕之・森林植生研究領域長は「植林放棄は統計以上に深刻。速水林業の植林の方法は、低コストと取り扱いの容易さで画期的」と期待している。

(2009年4月2日 読売新聞)千田龍彦氏より