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2009年11月13日

NO.465  徳島の見学会&研究集会のご報告

11月4日〜6日まで、無事に徳島三好市での見学会&研究集会を終了いたしました。
 朝日新聞のニュース、ここを見て下さいませ↓ 5日の朝刊(大阪以西)の1面に写真入りで紹介されました。
http://www.asahi.com/travel/news/OSK200911040152.html

●落合の報告第一報を皆様にお送りしています。
 今回は、徳島県の後援や三好市の共催をいただいての企画でしたので、徳島県西部総合県民局(副局長の安宅恒夫氏には1日目と3日目の研究集会にご参加いただきました)の方々や三好市長俵徹太郎氏を始め三好市文化財課課長の宮本誠一氏と課員の方々、そして落合の方々(会長の南敏治氏、市議の宮西智氏ほか地区の皆様)に大変お世話になりました
 特に三好市からは、移動のバスやワゴン車を提供していただきましたので、切り返しやすれ違うにも一苦労の狭い山道の連続でしたが、危険に感じることもなく大変有り難いことでした。ベテランドライバー大地秀明氏のハンドルさばきには全員脱帽でした。

 地域の宝のような、お一人お一人のことをご紹介したいけれど、膨大になるので今回は省略させていただきますが,本当に皆様ありがとうございました。その都度そのときの言葉や行為、どれだけ有り難かったか、こころから感謝しています。

 アシは事務局として、徳島県三好市の落合地区(旧東祖谷山村)に4月(内山代表にも一緒に行っていただきました)、7月と打合せに行きまして、その後はメールや手紙でいろいろ依頼。あとは当日の天気を心配しながら夕方のライトアップに臨みました。
 10軒も空き家が増えた、という地区のライトアップ計画は、さすがに不安でしたので、アシ考案のペットボトル利用のろうそく立てを紹介しました。
 でも、地元の方々がどうされるか内心は心配していたのですが、、、それは杞憂に終わり、、
予想以上の美しさに大感激しました。

 一斉点灯の合図は、演出効果抜群で、ホラ貝の音が対岸に響き渡ります。
 あたりが黄昏色に包まれ始めると、家々の明かりとともに、ろうそくの小さな光が夕暮れの中に浮かび上がりました。
 
 アシは前泊し、当日朝は、最初の打合せからお世話になっている市議の平田政廣氏と一緒に、(前泊された山田利行氏も)市のリサイクルセンターに行ってペットボトルを集めて落合の集落へ。あと50本、ろうそくをたてるペットボトルが足りないとのことで、山の中のリサイクルセンター迄探しに行ったのです。

 集荷トラックの荷台から降ろされた中から、いいのを集めた(みんな手がべとべとになったけど・・・)
その甲斐あって、集落の下から一番上の道迄ろうそくが点々と並びました。
 これも5歩で1本,と言う具合に等間隔にセットされたもの。
 地元の方々が一本一本調整しながら置いて行かれました。
 真珠の首飾りのように村の中をつないでいる、小さな光のはずなのに、集落全体を包みこむ優しい光に見えました。落合の方々の想いが詰まっているような優しいネックレス。

 都会のイルミネーションの輝きとは違うけれど、でも、じんわりと心を惹きつける灯りのぬくもりに、あちこちで上がった感嘆の声。
最初は素っ気なかった集落の方々とも喜びのあまり握手、握手。感激でした。

 その晩は、落合の集会所で、集落のご婦人方20人もの方々の手料理による交流会。
 集落の男性も10数人出席して下さり、参加者のみなさんもこんなふれあいのある見学ができるなんてと喜んで下さいました。
 地元の方々も、ライトアップは、これからもまたやってみたい、雪の中でろうそくを灯したらきれいだろうな、などといろいろ話されていました。

 灯火に包まれた落合の夕暮れの写真が、朝日新聞の関西方面の第一面を飾ったのですから、市長さんも市の皆さん方も本当に喜んで下さいました。
 と言う訳で、お天気にも恵まれ、大成功。地元の方々が用意して下さった竹の燗酒(竹のおちょこまで作ってあって・・感激!)やお団子も大好評。
 
 とにかく、落合の風景は、風景だけでなくそこに住まわれる方々の心が表しやすいし、断然人気が出るに違いないと思いました。

 二日目は、午前中、落合地区の急な斜面をゆっくりと自分で降りながらの散策。住民の皆さんが、畑や庭から声をかけてくださる。ふかしたばかりの熱々の小さなお芋を食べていいよと言われてどれだけ大喜びしたことでしょう。

 午後には、「屋島の合戦」に敗れたあと東祖谷に隠れ住んだ、と言われる平国盛から数えて23代目という阿佐家当主にお目にかかり、屋敷やお庭の説明をしていただきました。(普段は公開されていないお宅です)
 その後、釣井地区にある築300年の民家・重要文化財木村家の見学。
 山城上名地区の特産品、雲海に覆われる、あきれる程の急斜面に栽培されるお茶畑のそばに行きました。
 アシはずっとここのお茶が気に入って、注文し送っていただいているのです。実際に茶畑を見てみると、どんなに大変な作業を経て収穫されているのかと、今迄以上に大事に思いました。

 三日目は、研究集会。
 三好市長 俵徹太郎氏、落合重要伝統的建造物保存協議会会長 南敏治氏、群馬県赤岩重要伝統的建造物群保存活性化委員長 篠原辰夫氏(昨年春に見学会で行ったところです。)をパネラーに、内山節氏にコーディネーターをお願いしてのパネルディスカッション。
 NHKや各新聞社の取材も入り、話の内容も有意義なパネルディスカッションとなりました。
 
 お陰さまで、参加者の皆様(27名)と一緒に、地元の方々ともたくさん交流できた三日間の見学会を無事終了できましたこと、ここにご報告申し上げます。