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2005年06月14日

NO.264 第3回総会と講演会が無事終了&関町関宿。

 6月11日朝10:30津市駅前を大型バスで出発。
 一日目の最初は、三重県津市一身田町高田本山専修寺の御影堂(みえいどう)修復工事の見学。見学に際しては、(株)鳥羽瀬社寺建築の鳥羽瀬様ご夫妻に準備や資料づくりなど大変お世話になりました。
 また当日は、(財)文化財建造物保存技術協会、重要文化財専修寺御影堂設計管理事務所の大城哲也様にご案内頂きました。ありがとうございました。

 高田専修寺会館にて昼食。午後から同会館会議室にて総会。(参加者37名)
 司会を松留愼一郎様、議長を古橋源六郎様にお願いして、16年度事業報告、決算。17年度事業予定案、予算案を審議、皆様にご承認頂きました。無事終了。

 続いて講演会「文化財に森を活かす仕組み〜市民参加で考えること〜」
 速水亨当会代表。仕事山積で徹夜。最後にこの日の為の資料づくり、朝6時までかかりましたよ、とおっしゃるパワーポイントを使っての発表は、内容充実。リクエストした写真や要望もたくさん入っていて私は大満足。
 一身田名物のたけや饅頭も好評でした。(粒あんが好きな方には、できたて超おすすめ!)

 総会後はバスに乗って関町まで。
 関宿は東海道の江戸から数えて47番目の宿場町。重要伝統的建造物群保存地区としての落ち着いた町並みはどこを見ても興味深く写真撮りまくり。時代劇に出てくるような家並があるかと思えば、タイル貼り昭和初期の雰囲気を残す家もあって面白い。
 味の素やオロナミンの看板やポスターもレトロな雰囲気。だけど今もそのままお店が通用しているのですよ。有名なのだから観光地と言えば観光地なのだけれど、町に住む人たちが、全く自然に暮らしている気配。
 町の観光課から紹介していただいた年配の方が、関と大きく染め抜いた青い法被を着て元気よく案内して下さいました。後から、仕事が終わったから応援に、と来て下さった男性も全くのボランティアでとおっしゃる。みなさんと言葉を交わしながらの気持ちいいふれあい。

 通りを歩いていたら「桶重」という木の看板がかかったお店がありました。軒丸瓦には「器」の字。道に面した仕事場で黙々と木を削っている職人さんがいらしたのです。デパート等の物産展にいくと時々あざやかな手さばきで実演している職人さんを見ることがありますが、一人店先の仕事場で黙々と刃物を動かしているのです。

 丁度自転車のハンドルを握る様なイメージ。ハンドルと胸の間にこれから削る木片を挟む形。胸にあてた板でガード。細長い刃の両端に持ち手がついている道具の、それをハンドルを持つ様に右左をそれぞれ握り、胸の前に伸ばした両手を曲げながら胸元まで木肌をなでるように削るのです。その度に、木屑がくるくると散る様も面白い。私たちが見ていたのは、多分手桶の持ち手の部分。
 日々の暮らしの中に、たくさんの道具を使いこなしながら昔からの手仕事で製品ができあがっていく、人が見ていようがいまいが黙々と、なんだか感動してしまいました。

 小さかったころ、町にはこんな光景がまだあった様な気がしますもの。
 畳屋さんは、大きな針をなめながら畳のヘリを縫ってたし、ガラス屋さんはガラスの取り替えに忙しそうだったっけ。
 それでも私たちこどもが目をまんまるにして見ていても、邪魔だとか追っ払われたりもせずみんな黙々と仕事していたっけ。
 お土産物屋が軒を連ねるいかにも観光地と言った風情は全然ないけれど、そこに暮らす人たちが観光客に少しもおもねることなく尊厳をもって生きているという印象でした。
 
 4時に閉めますと言われ、一時は参拝をあきらめた地蔵院では、思いがけず拝観させて頂けることになり、幹事としては九死に一生を得たここち。思わず愚痴った我が心根を恥じましたが、まこと感謝感激でありました。
 綺麗なお地蔵様にお会いできてまた感激。

 関町から神宮会館までの道も、一時間半かかると予想していたのが一時間とちょっとで到着。皆さんがお腹のすく前について一安心。
 終り良ければすべて良し。・・・という訳で盛りだくさんだった一日目は無事終了したのでありました。
 長くなりましたので、一度切りますが見学会報告続きます。
 情報交換欄も見て下さいね。ご感想お待ちしています。  ではまた。(あし)