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2005年06月29日

NO.267 知床に行ってきました。

 25日〜27日まで北海道の知床に行ってきました。
 25日は、斜里町の駅前にあるホテルに一泊。
 夜ザーザーと雨が降ったのですが、ムッとする部屋に冷房の設備がない!(さすが北海道と感心。)
見回したら扇風機が一台、雨が入ってくるので窓も開けられず、なんとも寝苦しい夜を過ごしました。
 翌日は見事に晴れたのはいいけれど、暑い。
 以前斜里町に行ったときは、同じ時期だったけれど、余りの寒さに震えたのですよねぇ。
 
 さて、なぜ、知床まで行ったかと言うと、以前から注目している催しが毎年この時期開かれるのです。

 斜里からウトロまで行く途中に斜里町日の出知布泊村(チップドマリ)というところがありますが、そこのむかしあったと言う小学校(今は跡形もない)の裏山あたりに何軒かの別荘が建ち、近くに住んでいた方や新住民の方々が中心になって、神社を招請しようとしたのです。

 実際は、神社ならぬ毘沙門堂、太子堂、観音堂が建ち、それぞれ元寺からお坊様がいらして合同の大法要が営まれる様になったのです。

 東京下谷の法昌寺、奈良斑鳩の法隆寺、そして京都から相国寺や清水寺の方々も法要に参加され、日蓮宗、聖徳宗、臨済宗、北法相宗の皆様方が一緒にお経を唱和される。
 こんな新しく小さなお堂で人が集まるのかと最初思いましたが、人が人を呼び、年々参加者は増え、 昨年は10周年という節目も迎えました。
 文化遺産を核として地域のコミュニティを再構築させる、という当会の趣旨を常にあたまの隅っこで考えている身に取っては、大変興味をそそられる現象なのです。
 地域が再構築される為には何が必要なのだろうか。

 観音堂の前で、宗次郎さんのオカリナ演奏を聴きました。前から2番目の素敵な場所で、風に木々がそよぐ音や鳥のさえずりも聞こえる中、宗次郎さんの息づかいや生のオカリナの音を聴いて、不覚にも涙を落としてしまった自分に驚きました。
 何なのだろう。。。。

 今年も出かけていって、何となく見えてきた様にも思います。今の人の輪が、二代三代つながってやっと、その素晴らしさが伝えられるのでしょうが、つなげて欲しい催しです。

 二部は斜里町の方々の心こもった野外大パーティー。
 食べ放題飲み放題で知床の海の幸、山の幸がふんだんに並び参加者全員お腹いっぱいになるのです。

 斜里町は「知床で夢を買いませんか」というキャッチコピーで日本のナショナルトラスト運動に大きな影響を与えた「知床100平方メートル運動」でも有名な町。現在は「100平方メートル運動の森・トラスト」に移行しています。
「知床を世界遺産に」でも頑張っておられる牛来昌町長の、「どんな山の中、どんな浜にいても人が生きて行ける世界を作りたい。どんな僻地にいても人が元気に生きて行くことが大事なのです。この知床は山の恵み、海の恵み、たくさんの恵みによって生かされたところです。それを大事にして生きて行くことが自分たちのつとめだと思っています。」というご挨拶が、胸に響きました。

  会場設営や運営など縁の下の力持ちで働く青年たちの汗がまぶしい。
 大地を耕し、ときには舟を出して魚もとる。その地の農産物や海産物を都会に売り込む苦労話を去年たくさん聞きました。そんな苦労話の合間にも、その土地に愛着のある言葉を聞くとホッとしますし、応援もしたくなります。
 
 ただそれだけで毎年行きたくなるのかもしれませんが、今年もたくましい腕や日焼けした笑顔を見て私も元気をもらった気がします。
 
 27日夜最終の飛行機に乗って羽田に帰ってきたら、まぁなんという暑さでしょう。
昨日は一日家でぐったり。今日もぼんやり。
 元気をいただいたのは一瞬だけだったのかも・・・あら情けないっ   (あし)