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2005年08月23日

NO.281 長崎・五島(7 )◆長崎/外海(そとめ)

 長崎の話に戻りますが、7月に参加した見学会というのは、木の建築フォラムの研究集会/長崎・五島 教会建築・歴史と自然環境を生かした島づくり というもの。参加者は建築関係の方々が大半。

 木の建築フォラムの会員山田利行さんと理事の松留愼一郎さん(お二人とも当会の会員でもありますが)が、企画し様々な調整や段取りをして下さり実現した見学会でした。凄まじく大変だったことと想像します。なぜかと言うと、現地参加者も入れると107名という大所帯。
 当会の見学会、30名〜40名でも手一杯の私には考えられない参加者数。もう尊敬の一語あるのみ。
 特に山田さんからは、どうしても連れて行きたい、見せたいと誘われてのこわごわ参加だったけれど、心から感謝しているのです。お誘いには乗ってみるべし!

 長崎側の受け入れは、柿森和年さんにお世話になりました。
 現地の方々のお接待は心こもったもので、8日夜、外海の出津教会横の集会所では、手作りの料理がずらりと並び、翌日の新上五島町では屋外バーベキュー、たくさんの方々におもてなししていただきました。

 そこで、エプロン姿で笑顔でお世話して下さる女性たちに聞いてみました。出津でも2日目の新上五島町でも。
「クリスチャンですか?」
返ってきた答えは予想外。「いえいえ仏教です。」

 新上五島町では、「小学校でも中学校でも高校でも、クラスメートの三分の一位がクリスチャンだったね、」と若い二三人の女性たちがうなずき合いながら、「その人たちは、たいていが親代々のクリスチャンホーム、地域全体がクリスチャンなのよ」と話してくれました。
 思い込みで行った私には、三分の一という割合が少ないように思えましたが、これについては次回でも触れることにいたします。
 
 1日目の行程は、長崎/清心修道院(マリア園)、神の島教会→外海/黒崎教会、大野教会、出津(しづ)教会→黒崎教会でありました。

 食事が終ってから黒崎教会に戻りパイプオルガンの演奏を聴かせていただきました。演奏者は、堀江光一さん。パイプオルガンは、前任者だった神父様が寄贈されたものとか。
 カルクエラート「夕やけのうた」、クープラン「教区教会の為のミサ曲より」、バッハ「トッカータとフーガ」

 暮れなずむ空と、刻一刻と闇に同化していく山の端を遠くに見ながら、教会の中、長椅子に坐って静かに聞きました。
 胸の中にも音があふれ、流れ出すかのようなパイプオルガンの響き。
 開け放たれた窓から、風が時々お堂の中を吹き渡って行きます。
 誰かに寄り添って優しさを共有したくなるようなひととき。

 「教会の音楽には拍手はいりません。皆さんの心の中に、そっと礼拝の音楽をしまって帰って下さい。」という演奏者の最初の挨拶。(これにもしびれましたが)その言葉通り、密やかに教会を後にしたのでした。