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2005年11月05日

NO.302  必要なのは、みんなが納得する理由

 前回に引き続き、長野県東部町(当時)教育委員会から出された回答書です。(83年12月)

その回答書には、町の提案する民間委託案に賛成できない7つの理由が明記されてありました。

 要約すると
(1) 各校に設備や備品が完備しているのだから(自校方式という)、今後もその長所を生かしたい。
(2) センター方式でないと、町が訴える経費節減の効果は薄い。
(3) 民間委託をたとえ調理部門に限っても、業者指導型になりやすい。
(4) 委託によるコストダウン、労費節減についてはコンパクト食品、インスタント食品の多用が考えられ、その防腐剤、含有添加物等が成長期の児童生徒に与える影響が心配。今まで通りの原材料購入による手造り給食が望ましい。
(5) 給食を教育の場として位置づけている以上、利益追求を考えない直営で行うべき。
(6) 現在の給食内容を低下させないためには人件費は削れない。
(7) 民間委託案への父母、学校の理解を得られない。
であるから、小中学校のより望ましい教育の場を求める為には、直営による自校給食の方式が最も好ましい。
 これに伴う経費負担については、行政の必要経費として広く町民に理解を求め現行組織の中で経費節減をはかりつつ運営されるべきであり、教育組織の一環を民間に移すことは極力避けるべきであるとの結論に達した。

 という回答書。
 これを、かわいいカットも入れて、すごく見やすく工夫して。

 小平市の教育委員会は各学校に市の民間委託案を説明してまわり、それがかえって父母の反発を招いたのですが、かたや、町行政からの案を突っぱねたところもあるのか、と大反響を呼びました。

 給食問題が終結して、総まとめの小冊子が出たときも、「各方面で活用された資料」、というコメントをつけてもらって収録されたのですよ。誰が書いたかわからない形なのだけれど、ひとり、、嬉しかったのです。
もちろんこういった理由は、反対運動の中でいろんな方々が皆さんおっしゃっていたこと。

 理由って大事。人を動かすには理由がいる。
「大義名分」と言い換えてもいいけれど、どうしてそれが必要なのか、その理由がわからないと、人はそんなに簡単には動かない。でもちゃんと理解してもらえると、動き始めたらそのちからは大きい。

 発信することの大切さ。良ければ賛同する人は増え、悪ければめちゃくちゃに叩かれる。
PTAで学んだことの一つかもしれませんね。

 でも発信しなければ、なにも伝わらない。今でもそう思っています。
(あし)