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2006年01月12日

NO.311 三重県の「文化力指針(仮称)」

 一つのイベントが無事終了するまでは、頭の中がもうはち切れそうにいっぱいになるのですが、終ると今度は真っ白になる、というのを繰り返して今まで来ています。
 今回もちょうどそんなとき、三重の方からメールをいただき、三重県知事、野呂昭彦氏が「文化力」を政策に反映しようと提唱されていることを知りました。

 それによると、わが国は戦後、大きな経済成長により豊かな繁栄を築き上げたけれど、一方で社会の歪みが顕在化してきている。このため、行き過ぎた競争原理や効率優先といった経済偏重の考え方を問い直し、経済的な価値に加えて、文化的な価値を大切にすることが重要だ。として、三重県は、今年度中に「文化力指針」ということばを新たな県政運営に盛り込もうとしているのだとか。

 このあと、野呂氏の文章(「時事評論」2006年1月号の「地方からの発信」に掲載されたもの)を少し引用させていただきますね。

「ここでいう文化とは、芸術や文化財など狭い意味ではない。幅広く「生活の質を高めるための人々の様々な活動、その成果」と捉える。そうした文化は、豊かな心や感性を育み、地域社会の絆や基盤を形成し、産業活動の創造性も高めるなど大きな力を持っている。
 三重県では、文化の持つ多様な力を総合したものを「文化力」と位置付け、それを高め、活かしていくことで、新たな地域社会を再生し、創造していくことに繋げようと考えている。さらに文化力を高める取り組みを県の政策として進めるため、文化力を政策のベースに置き、政策の在り方を見直していこうと、「文化力指針」(仮称)として示すこととしている。

 文化力は、自発性、多様性、持続性の観点に留意しながら、文化力の三つの側面、即ち人間の持つ力、地域の持つ力、創造する力に着目し、総合的に高めていくことが大切だ。
(後略)
つづきを読みたい方は、次のホームページへアクセスを。
 http://www.pref.mie.jp/CHIJI/hatugen/kikou_bunka.htm

 「文化力」ということばを面白いと思ったのでここに紹介させていただいたのですが、今までのことばで言えば、「見識を持つ人たちを活躍させよう」ということでしょうか。

 すこし手前味噌になりますが、先日来、あしが騒いでいた映画上映の主催団体は、「文化を楽しむ市民のつどい」というのです。
 
 近くでもっと手軽に映画や演劇や寄席やコンサートやいろいろ楽しむことができたら、地域のアーチストの発掘や紹介などもできたら、などという目的もいろいろあるのですが、私のこの会を作りたい、と思った最大の理由は、自分たちが主体となって文化を作りたいし守りたい、そんな一人一人の自発性を大事にする会が欲しかったから。

 一人一人が持っている「文化力」。それは大きいのです。
 今回だって、私の周りにいる方々それぞれに備わっている潜在的な力は時としてものすごいパワーを発揮するし、お互いが刺激し合って不可能も可能にしてしまう。準備委員でなくても、とても気持よく応援して下さった。一銭の得にもならないのに。これも「文化力」だと思うのですよね。

 世の中が長引く不況の下で公的資金が「文化」面からドンドン削られていくなかでも、手を変え品を変え「文化」を守って行くのはやはり市民の力じゃないかと思うのですよ。

 いいものを見たい、見せたい。
 単純な動機で始まった活動だったけれど、市も教育委員会も商工会もちゃんと後援してくれて、公民館や地域センターにポスターを貼らせてもらい、チラシをおき、印刷もできた。こういう支援がありがたいし、いい町に住んで良かった、という気持ちにもさせてくれるのですよねぇ。
 これで市民ホールがもっと安く使えれば言うことないのですけれど、、う〜んやっぱり最後はお金の問題になりますか。

 でもこうやって主体的に、自分たちの文化への見識を持つ人たちが、地域の文化遺産も守っていこうという気持ちになるのだと思うのですよ。(私の中ではこの会の活動とつながっているのだけれど。)

 三重県の、文化力を政策のベースに置き、政策の在り方を見直していこうという「文化力指針(仮称)」。
 注目すべき政策ですよね。
ではまた(あし)