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2006年03月02日

NO.321 お寺のセキュリティ

 あっさりと3月になりました。雪うさぎさんに教えていただいた、月の満ち欠けが陰暦でいう日付けの通り、という今月の月を見たいと思っているのですが、今日も冷たく雨が降っています。
 春を目前にして毎年思うのですけれど、今頃の寒さが一番こたえますね。寒いのはわかっているけれど、さりとて、もうぶ厚いオーバーは着たくない。

 今朝、朝日新聞の「天声人語」を読んでびっくり。
 最近のことばとして、法隆寺の執事長、古谷様のことばが出ていました。

/寺からの仏像盗難が続いた。警備強化の動きがある一方で、奈良・法隆寺の古谷正覚執事長が言う。「仏教は基本的に性善説。お参りに来ていただいた人を疑ってかかることはしません。防犯カメラを不快に感じる方もいるでしょう」/

 いいなぁ。こんなコメント出せるお寺っていいですよねぇ。最近性善説なんてことばを聞くことなかったような気がするので、何だか嬉しい。

 でもこの部分だけ読むと法隆寺がものすごくお気楽なお寺に思えてしまうけれど、法隆寺だってちゃんと警備体制はしいて来ているのですよ。夜中は何度も警備の方々が見回りをされるし、日中だって法被を来たおじさん達が、金堂の中でも伽藍でも始終目を光らせているし。

 以前も書いたことありますけれど、他所の国で、国宝級のお寺を拝観させていただいたとき、仏像が檻に入っているのは普通のこと。ひどかったのは、拝観者が檻の中で、少し動いてもカメラがジジ〜ッとそれにつれて動く、なんてところもあったのですよ。信仰心なんてどこかに行ってしまう。
・・・なのにあの法隆寺が泥棒に入られて、セキュリティを入れてないからだと言われると私までなんだか悔しい。

 57年前に法隆寺は、解体工事中の金堂から出火し、模写作業中の壁画を焼失しましたが、それが電気系統が原因といわれています。それで「電気系統からの火災の危険がゼロとはいえず、センサーなどの設置には抵抗がある」という理由もあるようですけれど。
 とにかく、仏像を盗み出すような不心得者がこの先、出ないことを祈るだけですが、古谷様のことばの様に、仏教や聖徳太子様の教えを第一義に考えます、という姿勢は嬉しいな、そう思って今朝の新聞を読みました。天声人語氏もそんな気持ちで紹介されたのでしょうね。

 話は少しずれますが、法隆寺の場合は、寺務所や窓口や警備や設備管理の方々などお寺に働く方を数えると100人近い方々がいるのだそう。特に警備の方々は、たくさんいらっしゃる。
 一つのお寺が存続するだけで100人もの雇用が発生するって凄いことですよね。
 地域の文化財を守ることで、こういう町おこしができたらなぁ、なんて私は思ったりするのですけれど、、
 セキュリティを充実させて無人のお寺に、なんて考えただけでも淋しいですよねぇ。

 話はまた少しずれますが、観音堂を出た左側にある休憩所。そこのお茶が、機械なんだけどおいしいよね、と秘かに話題になっていたのです。
 あるときお寺の方に伺ったら、それもそのはず、お参りに来た方々の為にと、すごくいいお茶の葉を使っているんですって。だから私は、法隆寺に行く度にいつもそこでお茶をいただくのですよ。もちろん無料。ここだけの話ですけどね。(あし)