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2006年03月15日

NO.323 市町村合併と文化遺産(1)

 昨日は、第13回合同委員会がありました。
その中で話題に持ち出されたのが、市町村合併による危機感。
 改めてその影響の及ぼす先を考えると、どうにもこうにもラセン階段を歯止めなく落ちて行くように感じる虚脱感にことばを発するのも憚られる雰囲気となりました。

 というのも、合併終了後の市町村では新しい町の中央に資本を集中して投下、その反面周辺の辺鄙な集落への投資は減額かストップ、という政策が行われつつあるというもの。

 介護の施設も中央に持って来る。そうすれば集落に一軒とか二軒とか点々と暮らす一人暮らしのお年寄りを集められるし合理化が図れるというのだけれど。
各支所も追々に縮小か閉鎖されるのではないだろうか。人が住んでいなければそこに通じる道路もいつかは封鎖されるのだろう。お墓までも移され廃村となる。
 もちろん全部が全部、こんな動きではないと思いたいけれど。
 過去にも、町村合併をきっかけにして何度もこうして村が消滅して来た。神様も他の神社に合祀されたり、寺もご本尊を他所に預けたり、様々にその歴史を刻んで来たのだけれど。
 
 でも昔と違い自分たちの都合で山を下りるのではなく、行政サービスが届かなくなって住めなくなる、そんな理由で山を下りざるをえなくなるという理不尽さ。
少し前、大騒ぎされた郵政民営化の際、あれだけ村の郵便局はちゃんと残ります、信じて下さい、という大きな声を聞いたのに、今あちこちから近所の郵便局が閉鎖になるという悲鳴が聞こえてくる。
 「効率化」という言葉の下に理不尽に切り捨てられていく。ほんとうに仕方のないことなの?

 昨日危惧されたのは、どれだけの人たちがその町に残るのだろうか、ということ。行政サービスの削減や停止で住めなくなった人たちが、町の中央部に集まるのならまだいい、だけど息子や娘、親戚、知人を頼って、町を通り越して出て行くだけの話じゃないのだろうか、という心配。
 
 そんな中で文化遺産を守ろうよ、と言ってもねぇ、誰もそれどころじゃないんだよ、と冷たくあしらわれる。
住む人がいなくなったら誰が守るというのでしょう。

いい知恵が、ほしい。
何だか暗くなる<あし>でした。ではまた。