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2006年11月29日

NO.351  木材自給率20%台回復

今朝の新聞を読んだら、「木材自給率20%台回復」、という記事が出ていました。(読売新聞なるほど!経済欄)
「好調 間伐材が主役」って。
 おぉ、と思って読みましたが、それによると、2005年の木材自給率(国内の木材総消費量に占める国産材の割合)が、1998年以来7年ぶりに20%を回復した。

 間伐材を、住宅の床や壁に用いる合板として加工する技術が向上し、国産材の消費量を押し上げた。木材自給率は06年も20%台を維持する見通しで、間伐材を入り口にして国産材に復活の兆しが見えた。(向野晋)とのこと。

 ここ何年もずっと、自給率を20%台に!というのは木材業界の悲願だったのですよ。まずはご同慶の至り。
 それにしても、国土の67%が森林という日本に住んでいながら、国内の木材消費量の80%以上を輸入材に頼っているという現実が変えられなかった。
 自給率を増やそうと、どれだけたくさんの方々が苦労したことか、はかり知れないけれど、でも、それが、輸入材の不足や価格の上昇など、国際的な需給のバランスが変動するだけであっという間に変わって行く。なんか解せないのだけれど、でも国産の針葉樹合板などこれをチャンスにどんどん伸びてほしいものですよね。

 木造住宅は今でもたくさん建てられているけれど、一般の市民には、全くそのあたりの意識もないように見えるのも悲しいこと。現に家の周りに出現した建て売り住宅(まだ売れてないけれど)奇麗に化粧材に覆われた今となっては、どんな材が使われているか知る事さえできない。
 家を建てる人だけでなく、買う人の少しのこだわりでもっと国産材の需要って増やせるんじゃないの?とただただもどかしく思うのみ。

 でも、こうやって次々に林業が復活していって、山が手入れされ立派な木が育ち、100年持つ家を建てようと伝統木造軸組工法での住宅を建てる人が増えていったら嬉しいな。そうすれば大工さんの技術も継承されるし文化財の修復にも役立つのですから。

 国産材自給率の20%達成が、将来の文化財補修に必要な大径材(直径50センチ以上)の生産にと、つながっていくことを信じて、さぁこれからも頑張って参りましょう。   (あし)