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2007年08月09日

NO.395 伊藤若冲と動植綵絵

 コロタイプ印刷の工房見学会&研究会に参加してきました。
 今回のテーマが、「伊藤若冲と釈迦三尊像」

 伊藤若冲(じゃくちゅう)は、江戸中期の画家(1716―1800)なのですが、その個性的な画風に惹かれる人は多く、最近、特に人気が高いのだそうです。
 先日、5月13日より6月3日迄開催された「若冲展」ー相国寺承天閣美術館増改築工事の落慶記念ーには、なんと22日間で12万5千人を越える参観者があったというからその人気の程がわかろうというもの。

 それにしても、その時の出品内容が、凄いのです。
若冲の最高傑作と言われるあの「動植綵絵」30幅が、「対である釈迦三尊像」と120年ぶりの再会を果たして」というのですから、行けなかった<あし>などは、もう残念で眠れないくらいに後悔したのでありました。

 若冲の絵で有名なのは、鶏の絵なのですが、一度見たら忘れられない程の大胆な構図、色彩、迫力。
 (ニワトリそのものが違うのよね。今のブロイラーしか見たことのない人には、わからないかも、、)
 というのも当時、手本を書き写すだけの修行に満足できなかった若冲は、「数十羽の鶏を庭に飼って、ひたすら写生に励み、ついには草木や鳥、虫や魚に至る迄、全てのものを描ききることができるようになった」と寿塔(生前墓)に書かれてあるのだそうです。(大本山相国寺 相国会発行「円明」88号 「相国寺に参じた居士、伊藤若冲と「釈迦三尊像」「動植綵絵」 承天閣学芸員 村田隆志 )より
 
 その鶏の絵ももちろんのこと、この動植綵絵の中には、鳳凰(この真っ白な、貴婦人のようなホウオウに見つめられたら虜になりそう)や孔雀、
鶴にオウムに雁や鵞鳥、オシドリや小さな鳥たちも・・・
それから蝉やトンボに蝶やクワガタ、バッタにカマキリ、蛇に蛙にオタマジャクシ、トカゲ、イモリ(それもアカハライモリ)にゲジゲジ、青虫、ミミズにアリンコ・・・
また水辺の生き物、様々な貝・・・タコや魚も群れをなして、と30幅の掛け軸に、エネルギーを凝縮したように、そして詳細に描かれているのです。

 以前、もう4−5年前に、どこかの省の国家戦略プロジェクト、なる小冊子を手にしたとき、表紙にこの若冲の「動植綵絵」のごく一部分が使われていたのに驚いたことがあるのです。
 多分「池辺群虫図」の左上の部分。もちろんデザイン的にはものすごく格好良かったのだけど。
 でも、アノあの若冲様の絵がこんな使われ方するなんて・・・その違和感に、どうしてだろう???とハテナマークが頭にいっぱい。
 
 ずっと引っかかっていた(?)マークが、先日のコロタイプの研究会に参加したお陰でやっと解けたのですよ。
・・・と、興奮している<あし>ですが、
 でも、長くなるのでまた明日