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2007年08月31日

NO.405 「京都五山 禅の文化展」

 先週、突然、火曜日も金曜日も、母がヘルパーさんが家に来るのを嫌い、「帰って、帰って」と受け付けないのです。
 家をプイッと出て行ったり、トイレに閉じこもったり、今週の火曜日もせっかく来てくれたヘルパーさんを追い返してしまったので、訪問介護の受け入れを、しばらくお休みすることになりました。

 こんなことで、せっかく予定に組み込んでもらったヘルパーさんの仕事を奪うことになってしまって、本当に申し訳ないのですが、とにかく怒り狂う母をなだめるにはこうするしかなくて。

 今日も、昼寝から覚めたら、お兄ちゃんがいなくなったと家中探しまわり、そのうち真剣に対応しなかった私に矛先が、、
 慌てて二階に避難したのだけれど、玄関の戸ががちゃりと開く音。また家出?と外を見たら、険しい形相で門横の竹を伐り始めました。ま、いいか、、、

 でも、有り難いことにデイサービスには、喜んで行くので助かります。
 ある方に、「水曜日は母がデイサービスに行くので、打ち合わせも可能です。」と申し上げたら、「Special Wednesdayですね!」と命名して下さった。
 それまで、母が出かけると、すぐ横になってしまって、そのまま眠ってしまったりしたのですが、以来、「Special Wednesday」は、なにかしようとワクワクの日、特別の日になりました。(まぁ、命名するだけで気分が替わる単純さが私の取り柄でして・・・)

 というわけで29日は、上野の東京国立博物館に「京都五山 禅の文化展」を見に行ってきました。
 
 「足利義満六百年御忌を記念して、京都五山やゆかりの寺院等に伝わる、鎌倉時代から室町時代の禅文化の名品を展示いたします。京都五山の禅文化を初めて総合的に紹介する本展は、義満が開基となった相国寺の寺外初公開となる本尊・釈迦如来像を始め、禅僧の肖像画・肖像彫刻や墨蹟、袈裟、詩画軸、禅宗特有の仏画・仏像など国宝、重要文化財多数を含む約230点の作品を展開します。中国からもたらされた禅の文化が、王朝文化の伝統を持つ京都でどのように定着していったかをご覧下さい。」というもの。(案内パンフより)

 案内パンフの表紙を飾る肖像彫刻の厳しさ、険しさに、まずは惹かれたのですが、遺偈(ゆいげ)と言われる、禅僧の最期の書にも心動かされました。
 それにしても、迫力ある墨蹟の数々。
 知識教養があればもっと楽しめたかもしれないけれど、今回ばかりは、音声ガイドを借りて会場をまわりました。

 これらの時代、漢文の外交文書を作成するのに禅僧の知識や能力、手腕が欠かせなかったとの説明。ふっと思ったのは、時の為政者へは、きっと私利私欲とは関係ないところで、日本の将来を見据えての助言をしたのだろうな、、などと昨今の先の読めない社会と比較して考えてしまいましたよ。

 東京国立博物館・平成館にて、9月9日(日)まで開催しています。(あし)