« NO.396 動植綵絵を描いた心 | メイン | NO.398 お盆は田舎で »

2007年08月13日

NO.397 「動植綵絵」と「観音懺法」

 相国寺関連のお話しをもう一つ。
 それは、相国寺の「観音懺法」について、です。

 相国寺は、梵唄(声明)の美しさでも有名なお寺。
 中でも、毎年6月17日に催される儀式は「観音懺法」といわれ、独特なものなのです。これに、前述した若冲の絵がおおきな役割を果してきました。

 その前に、懺法(せんぽう)とは何か、どういう儀式なのかということですが、相国寺のホームページを参考に説明させていただくと、、
 「私たちは本来生まれながらにして仏性、仏の心を持っているのですが、知らず知らずのうちに限りない罪を犯しているものです。それは法律によってさばかれる罪と違います。ここでいう罪とは、わたしたちが日常心の上において犯す罪であり、それは実に多種多様であり、きわめて深重です。それらの罪を懺悔の力によって仏の心を取り戻そうとするのが、懺法と言う儀式。懺法とは懺悔を修する法の意味で、「懺儀」とも言います。

 相国寺の観音懺法は、もとは「請観音経」に基づいて出来たもので、正しくは「請観世音菩薩消伏毒害陀羅尼三昧儀」と言うのだそうで、観世音菩薩に帰命信従して、自己の罪業を懺悔する。観世音菩薩を迎えその前で懺悔する儀式作法を、略して観音懺法と言うのだそう。

 毎年6月17日、大方丈にて、古式にのっとり修行されており、閣懺法と呼んでいます。この儀式のはじめに修せられる太鼓、『はつ』による「勧請」は観世音菩薩をお迎えするための荘厳な前奏曲なのだとか。

 若冲が、明和七年(1770)十月、相国寺に「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅を寄進したことは先に記述しましたが、これらは二幅で一対になるような主題の相似した組み合わせになっており、真ん中に「白衣観音」両側に、釈迦三尊の脇侍だった「文殊菩薩像」「普賢菩薩像」を掛け、そこから左右対称となるよう、十五幅ずつ懸け列ねたということなのです。その配列図を図示した「六月十七日閣懺巻軸等配列図」も伝えられてあるのだそうな。
 参考: http://www.shokoku-ji.or.jp/information/schedule/function/0617.html
( 相国寺様のホームページを元に、少し省略しています。)

 有り難い文字が重なり流れていく声明、それは大河のように滔々として、目をつぶり、身も心もゆだねゆく。
 ふと目を開ければ若冲が、願い描いた世界が眼前に広がる。
 お釈迦様のお話しを聞きたいと、そこに集った生き物全てが喜びに満ちた法悦の世界。

 そこで、有馬様のおことば。
 命の輝きを描いた若冲の動植綵絵を、相国寺に残る釈迦三尊像と合わせてまた、33幅全て掲げて祈りたい。
 そしてその為にコロタイプ印刷での複製製作を依頼した。

そう話されるコロタイプ印刷とは何でしょうか。

 興味の湧いた方はまたこの続きを読んで下さいね。ではまた明日。(あし)